世界に出会えるオセアニア大学留学

オーストラリア大学留学体験談

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評価の高いRMITで学び、帰国後カイロプラクターとして開業!

留学期間:
留学先:RMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科
専攻:

1977年生まれ、東京都出身。オーストラリアRMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科卒業。東京カイロプラクティック院長。現在、一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)会長、アジア太平洋カイロプラクティックドクターズ連合(APCDF)副会長、国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE)アジア太平洋地区理事。RMIT大学同窓会日本支部長。http://www.tokyochiro.com/



RMIT大学付属の英語学校へ入学した時

RMIT大学の学生時代に友人たちと校内でBBQを開催

大学時代の友人とクラスのパーティーへ参加

エアーズロックへ旅行した時

オフィス内部

オフィスでの臨床の様子

オフィスの外観

国際会議での発表

Q:留学を目指したきっかけ

A:私の家系は祖父の代からカイロプラクティックを生業としていて、伯父二人や父親がカイロプラクティックの仕事に携わっていました。私自身は、カイロプラクティックについて実際どのような治療法であるのか自分自身詳しく理解していませんでした。ところが、たまたま私の友人が腰を痛め、私の父のクリニックでカイロプラクティック治療を受けたところ、たった一回の治療で腰痛がかなり改善し、今まで受けてきた病院の治療とは違うカイロプラクティックの効果にとても驚いていました。このことは後にカイロプラクティックを学んでみたいと思う大きな動機になりました。
日本ではカイロプラクティックは医療の国家資格ではなく、当時は定時制の短期養成校が幾つかあるだけでした。調べてみると、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど欧米の多くの国々では、脊椎に関連する健康を取り扱う医療資格としてカイロプラクティックが大学や大学院で教えられていることを知りました。やはり学ぶのであれば本格的に医療専門資格としてカイロプラクティックが確立している国々で学びたいと思い留学を決心しました。

Q:RMITを選んだ理由

A:各大学の入学条件では、高校時代の成績、英語の能力試験の点数、大学進学準備コースの成績(もしくは現地の大学で必要単位を取得)をそろえる必要がありました。総合的に判断して父親の友人が教授を務めているオーストラリアのメルボルンにあるRMIT大学(王立メルボルン工科大学)カイロプラクティック学科の入学を決意しました。父親の友人がいるという理由以外にもRMIT大学は比較的良心的な学費が設定されており、世界的にみてカイロプラクティックの教育水準がとても高いことが分かりました。当時はカイロプラクティックを学ぶためアメリカやカナダなど北米の大学へ留学する日本人は毎年数名いましたが、オーストラリアへ留学した日本人は皆無でした。 オーストラリアでは現在4つの大学でカイロプラクティックのコースが提供されていますが、RMIT大学はオーストラリア国内で一番長いカイロプラクティック教育の歴史があります。大学では業界でも著名な教育者や研究者から直接教えを受けることができたのでとても恵まれた環境だったと思います。

Q:留学中に履修していてためになった科目は?

A:日本で理系の科目は苦手だったのですが、やはり医療系の学科のためにこうした理系の科目は避けて通れませんでした。カイロプラクティック学科に入学してからは医療系の科目がたくさんあったため勉強量は想像以上でした。それでも大好きなカイロプラクティックが学べる事で充実した大学生活を送れました。最終的にRMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科を2002年に卒業し、応用理学士(臨床科学)及びカイロプラクティック理学士を取得しました。日々、カイロプラクターとして臨床をするなかでは、学生時代から繰り返し学んだ検査法や治療法などの実技系の科目がとても役に立っています。こうした検査法や治療法を使いこなすのにはもちろん基礎医学系の科目である解剖学、生理学、病理学、診断学などを理解していることが前提です。こうした科目も臨床に役立つことが理解できてから、学生時代には苦労したのですが、今ではセミナーのたびに楽しく復習しています。

Q:留学を通じて、今、役に立っていると感じられることは?

A:大学時代は忙しいながら世界各国から来た同級生たちと様々な交流があり、自分自身も日本の文化や生活を外から考えるよい体験ができました。「東京カイロプラクティック」を青山で開業していますが、過去3年間で50カ国以上の患者さんに来院して頂いています。これも留学時代に色々な国の人々と出会ったことで、外国人が気軽に来院しやすい環境をオフィス内で提供することに役立っていると思います。
また一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)の会長として様々な業界活動に関わらせて頂いています。2020年の東京オリンピックやパラリンピックではカイロプラクターが選手村で選手のケアを担当できるよう準備を進めています。それ以外にはRMIT大学同窓会日本支部長としてRMIT大学同窓生のためのイベント企画などを主催させて頂いております。

Q:日本のカイロ業界と日本のそれの違いや学び方の違いなどがもしあれが教えてください。

A:オーストラリアは欧米の多くの国と同じくカイロプラクティックが医療資格として医療制度の一部に認められています。オーストラリアの医療制度を構成する豪州医療従事者登録機関(AHPRA:Australian Health Practitioner Regulation Agency)には、医師・看護師・歯科医・薬剤師・眼科医・理学療法士・心理学者・カイロプラクター・オステオパス・足病医など14の医療登録機関が加盟しています。そのため多くの国民はカイロプラクターが医療従事者であることを理解しています。
一方、日本ではカイロプラクティックが国家資格ではないはないため、接骨(整骨)やマッサージ、整体などと混合されてしまう傾向があります。そうした他業種とは異なり、カイロプラクティックは独立した脊椎ヘルスケアの職業であることを日本ではもっと普及させていく必要があります。そのためには国家資格として認知させていく運動を行うと同時にカイロプラクターを養成する教育環境を充実させなければなりません。オーストラリアでは州立の大学でカイロプラクティック教育が行われていますが、日本では未だに多くがセミナーや1~2年間の定時制短期教育で学んでいる状態です。いずれ近いうちに文部科学省に認可されたカイロプラクティックの大学教育が日本で提供されることが我々業界の目標です。

Q:これから留学を検討される方にメッセージをお願いします。

A:海外の大学へ留学するのであれば、何を学びたいのかなど目的意識をもつことは絶対に必要です。目的意識なく大学へ入学してしまうと卒業までモチベーションが続かない可能性があります。単に英会話習得が目的であれば、大学留学ではなく、英語学校などへの短期留学やワーキングホリデーなどの長期旅行の方がお勧めです。
そして留学において必要な三項目としてあげられることは、一つ目にはまずは日本語できちんと自分の意見を人に伝えられる能力を身につけることです。書く、読む、話すといった英語すべての上達には日本語の能力は必要不可欠です。私自身の経験で言えば、仕事で英語を使うたびに感じることは、日本語が上手く使えなければ英語はなかなか上達しません。特に日本で高等教育まで受けた場合、英語の能力上達には日本語の能力が大きく関係します。
二つ目には現地の人と積極的に交流することです。留学生であればこちらから話しかけたりしなければ、なかなか現地の人は仲間に受け入れてくれません。こちらから話しかけることで現地の文化を学びながら友人も増えてきます。留学生だとつい母国の人々や留学生同士で集まりがちです。しかし英語力上達のためには英語圏の持つ文化を一緒に吸収する必要があります。勇気をもって自分から現地の人々に積極的に話しかけてその社会や文化に溶け込む努力をしてみましょう。
三つ目には、体力も能力のうちと言われるように心身の健康に心がけることです。留学中には様々な場面(勉強の苦労、語学の壁、人間関係など)でストレスがあります。そうしたストレスを上手く対処するには心身ともに健康を維持しなければなりません。適度な運動やバランスの良い食事を心がけるのはもちろんのこと、留学中は必要以上に自分を追い込まず、勉強のオンとオフの切り替えを上手く行ってください。勉強は一生懸命にやりつつ、休暇の時には旅行などストレス発散をして楽しんでください。