獣医になるという夢を叶えるため、獣医学が学べるメルボルン大学へ進学

参加コース:オーストラリア大学留学プログラム
留学期間:2011年2月〜
留学先:メルボルン大学
専攻:サイエンス

獣医学を学びたいと、オーストラリアへ高校留学。卒業後はメルボルン大学に進学。大学卒業後は大学院に進んで、獣医学を専攻する予定。

大学のサイトで、当日の授業の録音が聞けるので助かりました

Q:留学のきっかけを教えてください。

A:奄美大島という小さな島で育ったので、島から出るのは大学に進む時だけだと小さい頃から思っていました。でも小学6年生の時、カナダに2週間ホームステイしたのをきっかけに「もし全然違う場所で生活したらどうなるのか」を考えるようになりました。言葉も文化も環境も全く違う場所で生活した時に自分はどこまでやれるのか、どんなふうに変われるのか、その答えを見つけたくて留学することを決めたのだと思います。

Q:オーストラリアを留学先に選択したのは?

A:候補の中から直感で選びました。自然も豊かで野生動物もたくさんいるオーストラリアは獣医学を学ぶにはとてもいい環境だと感じたので、結果的にいい選択だったと思います。

Q:滞在している都市について教えてください。

A:メルボルンはとても住みやすい街だと思います。オーストラリアは移民の国として有名ですが、メルボルンは特にヨーロッパ風のきれいな街並みでカフェや公園がたくさんある、とても素敵なところです。スポーツも盛んで、毎年行われるテニスのオーストラリアオープンと、AFL(Australian Footballというラグビーに似たスポーツ)のグランドファイナルはメルボルンのビッグイベントとなっています。私にとってメルボルンは、都会と田舎がほどよくミックスした「ちょうどいい街」です。適度に息抜きできる場所もあるし、勉強に集中する環境としては最適だと思います。

Q:大学入学の際のパスウェイは?

A:高校からオーストラリアに留学していたので、現地の学生と同じようにVCEの試験を受け、その結果で第一志望だったメルボルン大学からオファーをもらって入学しました。

Q:なぜメルボルン大学を希望したのですか?

A:大学数が少ないオーストラリアで獣医学が学べる大学は本当に少なく、ビクトリア州ではメルボルン大学しかなかったからです。Year11の時から本命をメルボルン大学1本に絞って勉強していました。

Q:大学のいいところ、気に入ってる点を教えてください。

A:メルボルン大学はオーストラリアの中でもとても歴史があるらしく、大学の敷地内には古い外観の建物もあります。キャンパスはとても広く、自分の行動範囲内以外の場所へ行くと迷ってしまいます。カフェや図書館もたくさんあり、他にもいろんな施設が充実しているので、生徒がリラックスして勉強に取り組んでいける環境がすごく整っていると感じました。経験豊富な教授やTutorがそろっていて、内容が濃く、とても興味をひかれる講義が多いです。私の学部はScienceなので実験が多いのですが、実験に使う施設や器具などもすごく充実していると感じました。

Q:日本の大学と異なる点はどんなところだと思いますか?

A:日本の大学に行った姉と話をしていて違いを感じたのが、ビクトリア州のほとんどの大学がやっているレクチャーのレコーディングです。オーストラリアの他の州の大学もしていると思うんですが、その大学の生徒だけが使える個人のウェブページがあります。メルボルン大学ではLMS(Learning management system)と呼ばれていますが、そこに授業のノートやアセスメントについての情報、科目の情報が全て掲載されています。さらに、講義があった日のうちに講義の内容を録音したものがアップロードされるので、講義に行き損ねた生徒や、講義をもう一度聞いて理解を深めたい生徒にはとてもありがたいシステムになっています。大学によっては録音だけじゃなく、授業を録画してアップロードするところもあるそうです。教授によっては録音を拒否する人もいるので、すべての科目ではないですが、英語を聞き逃してしまうことが多い私にとって、このシステムはすごく助かります。でも、これを日本でやると講義に行く人がいなくなってしまいそうですね(笑)。

Q:大学での専攻は?

A:メルボルン大学のScienceではちゃんと専攻を決めるのは3年生になってからで、私の専攻はAnimal Health and Disease の中のAnimal Disease Biotechnology Specialisation です。家畜の病気や農場のマネージメント、人畜共通性の病気の監視や予防などを中心に勉強しています。

Q:具体的にはどんな科目をとっていますか?

A:Scienceには化学、物理、生物、数学などの一般的な理系の科目があり、さらに専門的に細かく分かれていくので、科目数はかなり多いです。最初の2年は専攻につながる必須科目 (基礎生物、動物生理学、生化学など)を中心にとっていて、専攻が決まる3年では動物の病気とバイオテクノロジー、動物行動学、獣医の生物科学、農業と動物のシステムの分析など更に専門的な内容の科目になっていきます。

Q:特に印象的だった授業はありますか?

A:特に印象に残ったのは家畜の福祉問題についての授業で取り上げられていた、こちらでよく問題視されるdehorning(除角)、mulesing(羊の後部の皮膚の一部を切除する処置)やdocking(断尾)に対する解決法としての遺伝子選択です。遺伝子選択によって、例の様な処置をする根本的な原因を持たない動物(角の生えない、または短い牛や羊、攻撃性の低い気質の動物など)が生まれる為、結果的に家畜の福祉の向上につながるというもので、オーストラリアのこの問題に対する意識の高さに関心すると同時に、とても興味深いと思いました。

Q:苦手な課題などはありますか?

A:高校と大学合わせて何回かあったんですが、いつも苦労していたのはオーラルプレゼンテーションです。人前で話すのが苦手な上に、英語でしないといけないし、いつも課題でClass Presentationがある時は本当に嫌でした。今でもすごく苦手です。ローカルの学生は堂々と簡単にやってしまうので、すごいなと毎回思っています。

Q:放課後はどのように過ごしていますか?

A:大学からシティまで10分くらいなので、授業が終わってから友達とよくご飯を食べに行ったり遊びに行ったりします。自分で時間割を組み立てて、まとまったフリーの時間をとることができるので、その時間にバイトをしたりもします。授業の合間は図書館で勉強したり、大学内のカフェでのんびりしたり。オーストラリアの大学生活も日本のそれとそんなに変わりはないと思います。

Q:現地での滞在方法は?

A:高校留学でメルボルンに来た時から、ずっと同じ家族の家でホームステイをしています。とても素敵なホストファミリーで、私のことをJapanese daughterといって本当の家族の一員のように接してくれます。ホームステイを何度も変える留学生や、留学生の受け入れをビジネスとして割り切るファミリーもいる中、私は本当に最高のファミリーに受け入れてもらえて幸せだなといつも思っています。

Q:留学してから、どんな壁にぶつかりましたか?

A:留学して1年目は本当に自分の伝えたいことも伝わらないし、相手の言っていることも半分くらいしか分からず、もともとの人見知りも影響して、アウェーにいるような感じで毎日緊張の連続でした。「早く日本に帰りたい」ということばかり思って1年目を終えたんですが、2年目のある時、話していた人に「あなたの英語はすごくオージーアクセントがあるね」と言われてから、私の中で気持ちの変化というか、少しメずつメルボルンがアウェーではなくなっていったような気がします。英語の成長はやっぱり留学してからの自分の成長を一番よく表すと思うんですが、自分では分かりにくいものだと思うんです。人にそう言ってもらえて、初めて自分が留学していることの結果はちゃんと出ていると少し自信を持つことができました。小さなことですが、気持ちに余裕を持つことができるきっかけになった誰かからのひと言です。

Q:留学で何を得たとお考えですか?

A:語学力もそうですが、一番大きなものは自信だと思います。言葉も文化も違う環境で一から生活を始め、学校に行ってローカルの学生と同じレベルを勉強でも求められるというのは、思っていた以上に大変なことでした。でも大変な分、高校3年間が終わったときは達成感があったし、努力した分だけ目にみえる形で結果が出たので、「この3年を無駄にしなかった」「大変なことを乗り越えて結果を出すことができた」という自信を持てました。大学ではもっと努力が必要で、大変なことがたくさんこれから待っていると思うんですが、それもまた乗り越えて自信に変えていけたらいいなと思っています。

Q:卒業後の進路と将来の仕事について、どのようにお考えですか?

A:メルボルン大学卒業後は、他の大学か大学院に進学して獣医学を学びたいと思っています。オーストラリアで獣医学を学べる大学は限られていて、どこもとても競争率が高く狭き門ですが、獣医になるというのは小さな頃からの夢なので、あきらめずに頑張りたいと思っています。獣医の資格がとれたら、獣医としてオーストラリアで経験を積み、将来的には国際機関などで野生動物に携わる仕事がしたいと思っているので、少しの時間も無駄にしないように今を頑張っていきたいです。


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