ブリスベン留学生大使日本代表と、クイーンズランド大学キャンパスツアーガイドに就任!

参加コース:オーストラリア大学留学プログラム
留学期間:2011年7月〜留学中
留学先:クイーンズランド大学
専攻:ファウンデーションコース→人文科学部
留学前:日本の高校を卒業

1992年生まれ、東京都出身。お茶の水女子大学附属高等学校を卒業後、2011年7月にオーストラリア・クイーンズランド大学のファウンデーションに入学。コース修了後の2012年7月より同クイーンズランド大学の学部1年生へ進学し、現在はBachelor of Arts(人文科学部)に在学中。

大学からの奨学金を得て、ファウンデーションコースから学部に進学

学期休みの際にキャンベラに1人旅した時のものです

渡豪直後にクイーンズランド大学のキャンパスを訪れた時

ファウンデーションコースのInternational Food and Cultural Festivalでクラスメイトと

ホストファミリーと、同じ家に住んでいたマカオからの留学生と

ファウンデーションコースの卒業式

大学でミュージカル・シアターにキャストとして参加した時

ブリスベン留学生大使の任命式で市長と

ブリスベン留学生大使の活動で各国の代表者たちと

Q:海外の大学で学ぼうと思った理由を教えてください。

A:高校在学中に、大学で異文化コミュニケーションを専攻したいと思ったことがきっかけです。異文化を学ぶのであれば、ほぼ単一民族国家といわれる日本で勉強をするよりも、様々なバックグラウンドを持つ人たちを日常的に観察できる環境に身を置いた方が、理解が深まると思いました。また、大学に行ったら思いっきり勉強しようと決めていたため、一般に「卒業するのが難しい」といわれている海外の大学に挑戦し、完全燃焼したいという気持ちもありました。

Q:留学先として、オーストラリアを選択したのは?

A:オーストラリアの大学進学を決めた理由は3つあります。まず、オーストラリアは、世界的に教育水準が高いとされる大学も、他の英語圏の学校に比べると学費が比較的リーズナブルな点。また、留学前から専攻科目の希望がはっきりしていた私にとって、学部1年次から専門課程を学べるオーストラリアの大学は都合が良かったこと。そして、ファウンデーションコースを修了すれば学部入学ができる、という整ったシステムも決め手でした。これまで海外在住の経験がなかった私にとって、段階的に英語や海外生活に慣れ、無理なく海外の大学で学ぶことができるというのは確実かつ現実的だと考えました。

Q:クイーンズランド大学を選んだのはなぜですか?

A:クイーンズランド大学にあるカリキュラムが、私の学びたいことに一番近かったからです。私の専攻学科の1つである‘World literatures and cultures’は、様々な国の文化が学べるコースが充実していて、専攻学部(Arts)の選択科目には、異文化コミュニケーションの理論を学べるものもありました。また、クイーンズランド大学のあるブリスベンは、シドニーやメルボルンといった大都市に比べるとこじんまりしていて、治安や環境が落ち着いているところも魅力的でした。

Q:大学留学にあたり、日本ではどんな準備をしましたか?

A:一番力を入れた準備は、やはり英語学習(ファウンデーションコース入学に必要なTOEFLやIELTSのスコアを取得すること)でしたが、その他には、ICCで留学前オリエンテーションの時に配布された冊子をもとに、留学生活をおくるにあたって知っておくべき情報を整理しました。具体的には、オーストラリアで病院にかかる際の手続き方法の確認をしたり、クレジットカード会社や、現地の日本領事館の連絡先などをまとめて控えておくなどです。

Q:英語研修なしで入学されたそうですが、高校在学中、どのように英語学習を行っていましたか?

A:海外留学を視野に入れ始めた高校2年生の秋の段階で、 TOEFL対策を専門に行っているスクールを探して入会し、進学先を海外の大学に絞った高校3年生の春からは、スクールで配られたテキストを繰り返し解くことに集中しました。夏休みからは、IELTSの過去問も独自に購入しTOEFL対策と並行して勉強を進め、秋にはTOEFL、IELTSともにファウンデーションコース入学に必要なスコアを取得しました。TOEFL、IELTSは、取り組み始めた当初は苦労をしましたが、対策をしていく中で、ファウンデーションコースや学部の授業をこなすのに最低限必要な英語力を身につけることができました。スコア取得後は日常英会話の上達に重点をおき、英語で日本の文化を紹介するようなTV番組を観たり、多国籍キャンプに参加したりしました。

Q:留学先の大学の特徴を教えてください。

A:世界的にも教育水準の高さが認められている大学の1つであるクイーンズランド大学は海外に提携校も多く、日本人をはじめ、世界各国からの留学生がたくさんいます。温暖なクイーンズランド州特有の強い日差しが照りつける開放的な雰囲気のキャンパスは、ブリスベン川沿いに位置する落ち着いた環境でありながら、街の中心部までバスでおよそ15分という便利さも持ち合わせています。全校生徒は約4万人、そのうちの20%を留学生が占めると言われていますが、日本人の正規留学生は少ない印象です。クイーンズランド大学の教授陣は様々なバックグランドをもっていて、各国の文化を学ぶことができるのが魅力です。私がこれまでに授業を受けた先生方の出身だけでも、オーストラリアはもちろん、韓国、スペイン、中国、チリ、ドイツ、日本、ブラジル、フランス、ロシアなど多種多様でした。

Q:ファウンデーションでは、具体的にどんなことを学習しましたか?

A:クイーンズランド大学のファウンデーションコースでは、5科目を履修します。必修は英語と数学の2科目。英語は、文法や語彙を習得するというより、エッセイやレポートの書き方など、大学で必要なスキルを身につけるほか、オーストラリアの政治や歴史の基礎などにも触れました。数学は、いわゆる日本の高校数学の基礎を学びます。その他の3科目は選択で、生物、物理、化学、経済、会計、ビジネスマネジメント、リサーチ、行動科学(心理学と社会学)、IT、建築の中から好きな授業をとることができます。

Q:ファウンデーションコース在学中の勉強量はどれくらいでしたか?

A:ファウンデーションコースの授業は週20時間前後で、午前のみ・午後のみという日も少なくありませんが、どの科目もレポートやプレゼンなど時間のかかる課題が多いため、授業時間外でも、平日は基本的にずっと机に向かっていました。

Q:苦労したレポートや課題はありますか?

A:最も苦労したのはリサーチの課題です。読み物をもとに250字前後の文章を書いて、毎週1本ペースで提出するという授業ですが、少しでも曖昧な文は先生からの「?」マークが入って返却され、なかなか合格点をもらえないので大変でした。書き直さなければならないレポートは溜まる一方で、中には10回近く再提出をしてようやく合格印をもらったものもあります。大変な時間をかけて一文ずつ校正をしている時には心が折れそうでしたが、スッキリした文章が書けた時の達成感は何にも代えがたいものがありました。また、課題に向き合い続けるうちに良い文章の書き方が分かり、自信にも繋がりました。

Q:大学から奨学金を取得されたそうですが、条件や申請方法を教えてください。

A:私が獲得した奨学金は、ファウンデーションコースを修了してクイーンズランド大学に入学する学生が対象で、毎年、1学部あたり1名が選ばれ、奨学生は学部在籍中の学費が卒業まで半額になるというものです。選考過程は学部により多少異なりますが、Artsの場合は、まずファウンデーションコースの成績、作文、課外活動の略歴といった書類を提出し、それらをもとにファウンデーションコースのスタッフが面接を行って、通過した場合は大学の学部スタッフと最終面接を行います。特別な応募資格があるわけではありませんが、やはり成績の良い学生ほど有利になるので、私もファウンデーションコースの授業には全力で取り組み、総合GPA6.8(7段階評価)を提出しました。また、Artsでは特に、成績のみならず課外活動や人柄も重視されるという話があったので、作文や略歴の作成にも力を入れました。

Q:学部とファウンデーションとでは、どんな点が異なりますか?

A:ひと言で言うと「規模と自由度の違い」だと思います。ファウンデーションコースは、課題準備の時間が授業の中で設けられていたり、レポートの草稿版を提出する機会がありました。授業数が多い上に1クラス15人前後と少人数なので、親しい友達もできやすかったです。大学は1科目につき講義は週にほぼ1回である上、出席をとらない授業も多くあり、課題も、自分で情報整理やスケジュール管理をして進める必要があります。個人の自由を尊重する分、責任が伴います。ファウンデーションコースを経ての大学入学は、学業面での自信にもなり、また広い大学内に仲間がいるという安心感も与えてくれるので、個人的には良かったと思っています。

Q:現在の専攻について教えてください。

A:学部としてはArtsに所属し、専攻学科はWorld literatures and culturesとスペイン語です。履修するのは1学期につき原則4科目ですが、先学期は、異文化コミュニケーション、国際コミュニケーションとメディア、世界の宗教、そしてアジア文学から文化を学ぶ授業をとっていました。

Q:特に印象に残っている授業はどんな内容でしたか?

A:宗教の授業で出された「3つの異なる宗教の礼拝を観察し、教科書で学んだ理論に基づいて比較をする」というレポート課題は、フィールドワークから異文化を学ぶことができ、印象的でした。私は、仏教寺、イスラム教モスク、サイエントロジーの教会に足を運びましたが、初めて知る世界に考えさせられることが多くあり、また自分でアポイントメントをとって礼拝に参加するという過程も楽しいものでした。

Q:現在の学習スケジュールを教えてください。

A:Artsは比較的授業数の少ない学部で、先学期は週11時間でした。その代わりにレポート課題を課す科目が多いため(先学期は1000〜2000字のレポートが全部で10本ほど)、少なくとも毎日3〜4時間は何かしらの課題に取り組んでいます。課題とは別に、授業の予習には毎回1〜2時間かかっていました。

Q:ホームステイからシェアハウスに変更されたそうですが、両方のメリットやデメリットを教えてください。

A:生活のノウハウが学べ、また何かと頼ることのできるホストファミリーという存在は心強く、最初はホームステイで良かったと思います。渡豪直後、ホストファミリーには、銀行口座の開設や現地での携帯電話の契約などを手伝ってもらい、大変助かりました。ただ、シャワーを浴びられる時間や消灯時刻が決められているなど、実家で過ごすのとは違い気を使う部分もあります。一方、シェアハウスは他人からあまり干渉されることがなく、自分の自由に過ごすことができますが、インターネット会社や不動産への連絡など、問題が発生した時は、自分で対処をしなければなりません。学業が忙しいことに加えそういった面でも責任を課せられるのは煩わしくはありますが、将来自立した生活を送る上で切り抜けておいた方が良い道だとは思うので、生活に余裕ができたらシェアハウスに挑戦することを個人的にはおすすめします。

Q:学業以外に取り組んでいることがありますか?

A:留学生という立場を活かし、オーストラリアの文化を少しでも外に発信していけたらと思っています。今年度から、ブリスベン留学生大使の日本代表とクイーンズランド大学のキャンパスツアーガイドに就任したので、まずは自分の住む街と大学を紹介するという役割を全うしていきたいです。

Q:将来の目標やキャリアプランを教えてください。

A:将来の目標は、世界の国々の文化を日本へ紹介・発信していくことです。生活様式や人々の価値観・考え方は文化に基づく部分が多く、文化の違いは異文化圏の人々に対する不信感に繋がり得ると私は考えます。逆に、異文化理解はビジネスや政治的外交における摩擦、さらには民族紛争を解決に導く手がかりとなるのではないでしょうか。こういったメッセージをより多くの人に分かりやすく伝えられるという点では、マス・メディアに媒体としての魅力を感じます。

Q:オーストラリアの大学で学びたいと考えている人たちへ、アドバイスをお願いします。

A:海外留学というと華々しいイメージばかりが先行しがちですが、実際にはフラストレーションや不安、自分への劣等感、そして心細さを感じることも少なくありません。ただ私は、学業面でも生活面でも、日本にいたら考えもしなかったような問題に直面し、試行錯誤することで「留学を通して強くなるというのは本当なのかもしれないな」と感じます。「徹底的に打ちのめされて、今一度自分を見つめ直したい」。そんな覚悟のある皆さんと、同じオーストラリアで、一緒に頑張っていけたらと思います。


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