働きながら学ぶ社会人の学生が多く、彼らの目標意識の高さに刺激を受けました

参加コース:オーストラリア大学留学プログラム
留学期間:2006年5月〜2009年11月
留学先:クイーンズランド工科大学
専攻:経済学

留学後はTOEICのスコアが倍増

Q:留学のきっかけを教えてください。

A:母親が英語の先生をしていた影響で、子供のころから英語が好きで海外に興味がありました。高校2年の時に3か月間イギリスを旅して、英語圏の人たちの文化、音楽、スポーツに触れ、具体的な目標として海外で勝負したいという思いが強くなりました。

Q:留学先にオーストラリアを選んだのはなぜですか?

A:オーストラリア人と結婚した姉がブリスベンにいるのですが、姉のところへ遊びに行った際に国柄と環境の良さに魅せられ、また現地の大学生と出会う機会もあり、憧れを持っていました。その後、ブリスベンにある大学の説明会やオープンキャンパスに行って「これだ!」と思い、決意しました。姉家族の元で一緒に生活させてもらえるため留学費用が抑えられ、何より気持ちの面で安心することができたのがオーストラリアを選んだ理由です。

Q:留学先の都市はどんなところですか?

A:オーストラリア東海岸に位置するブリスベンは、人口160万人くらいの豪州第3の都市です。1年を通して暖かい晴れの日が多く、夏は暑く、冬は涼しい自然豊かな街です。イベントが多く、シティでは毎週末何かしらのお祭りをやっていました。本当にさまざまな国から来た人で成り立っている街でおいしいものも種類が多いですし、文化的にも密度が濃く面白いところです。また、ゴールドコーストやサンシャインコーストへも短時間で行けるので、海好きにはたまりません。個人的には広大な公園と、きれいな天然芝のグラウンドの多さが気に入っています。

Q:QUTを選んだ理由を教えてください。

A:ブリスベンにあるクイーンズランド大学、クイーンズランド工科大学、グリフィス大学の3つの大学のうち、自分の希望に最も合致したのがクイーンズランド工科大学でした。卒業生の就職率の高さ、履修できる科目の内容と選びかたの自由度、教授陣の質の高さ、環境のよさ、卒業までかかる期間と費用、留学生の割合などを焦点に大学を選びました。また、東京や大阪で開催されたオーストラリア留学フェアで、各大学の入学担当の方と直接お話する機会があり、QUTファンデーションの方の人柄がよくて意気投合したことも大きかったです。

Q:大学入学のパスウェイは?

A:最初の4か月間は、クイーンズランド工科大学(QUT)のファンデーションコース(QUTIC)で学び、その後、学士課程に進みました。IELTSは留学前に日本で受けておきました。

Q:大学の特徴、気に入っている点を教えてください。

A:「工科」という名前はついていますが、実際は総合大学です。ビジネス、クリエイティブ系、看護、教育、法学、工学、ITなどの学部も充実していて、4万人くらいが学んでいる大きな大学です。そのうち留学生の割合が17%くらい(当時)で、ほかの大学より少なく、純粋にAussieなところが気に入りました。 私が通っていたビジネス学部のキャンパスはシティの真ん中にボタニックガーデンと一緒にあるガーデンズポイントにあり、都心部まで歩いて数分なので便利ですし、実社会に近いところでスキルを磨けるところが特徴だと思います。最近新しく科学・IT分野の拠点を増設したようで、社会の最先端のニーズへ対応するための投資をしっかりやっている印象があります。

Q:QUTを選んでよかったと思う点は?

A:オフィス街で昼間仕事をして夕方から遅めのクラスを履修する社会人の生徒が多く、みな目標意識がしっかりしていて、とても良い刺激になりました。チームで取り組むプロジェクトやプレゼンテーションの豊富さ、分からないことがあれば直接納得がいくまでとことん教えてくれる教授など、努力すればするほど結果がついてきて認めてもらえますし、それが自信と実力につながる環境があったと思います。

Q:TOEICやTOEFLなどのスコアはどれくらい伸びましたか?

A:2002年に初めて受けたTOEICのスコアが470くらいでしたが、2009年に就職活動で一時帰国した際に受けたときは960でした。

Q:経済学を専攻に選んだ理由は?

A:世界がどのように動いているのか、もっと大きなスケールでとらえたいと思ったからです。人々の生死、貧富、幸せ、家計にも直結するのが経済活動で、それが解るようになったら面白いだろうなと考えていました。

Q:具体的な科目にはどんなものがありますか?

A:必修科目として8科目、経済学分野の24科目がありました。必修の会計、統計、マネジメント、マーケティング、金融、経済、国際ビジネス序論などを主に1年次に履修し、その後2・3年時には学びたい分野に応じて選択オプションがかなり広がります。マクロ・ミクロ経済学などを掘り下げた後、希望に応じて行動経済学、国際経済学、環境経済学、計量経済学、公共経済学、ゲーム理論など選べます。経済分野以外で興味のあるビジネス科目から選べる選択科目枠も4つくらいあるので、アレンジの自由度が高いです。

Q:特に印象に残っている授業は?

A:環境経済学の授業が面白かったです。再生可能エネルギーの導入促進にはどのような政策が有効か、生態系の保持と経済活動を両立させるにはどういった枠組みづくりが必要かなど、今世の中が直面する課題についてディスカッションを行い、教授も熱心な方だったので自然と引き込まれました。夕方以降の授業をとることが多かったため、社会人の学生の皆さんと話し合えるのがとても貴重でした。

Q:苦労した課題は?

A:2008年当時に起こっていた世界金融危機をテーマにしたマクロ経済のアサインメントです。仲間といろいろなアイデアをぶつけながらも状況がリアルタイムで変化していく中、何度も書き直したりして苦戦しました。その分、終わった後の達成感は大きかったです。科目の難易度でいえば、最終年の計量経済学が数式だらけで最も過酷でした。

Q:キャンパスライフをどのように楽しんでいましたか?

A:日本語を覚えたいオーストラリアの学生が多かったので、アソシエーションを通してランゲージエクスチェンジの機会を設けたり、日本の映画鑑賞会を企画したり、皆で焼き肉を食べに行ったり、いろいろなアクティビティを行えたのが楽しかったです。大学の友達とシドニーやメルボルン、タスマニアなどにも一緒に旅をすることができたのもいい思い出です。カンガルーポイントのロッククライミングや、ストラドブローク島でのセーリングもスリリングでした。あとは、毎週土曜日の日本人学校のボランティアを通して、小中学生と授業やお祭り行事、ゴールドコーストでの運動会などで遊んだのも楽しかったです。

Q:留学によって、何を得ましたか?

A:オーストラリア人だけでなくアジアをはじめとしたさまざまな国と文化の友達との絆とネットワーク、心を整え自分で考える力、逆境に負けない粘り、いろんな価値観を受け入れられる分厚さなどを得られた気がします。

Q:大学卒業後から現在までの経緯を教えてください。

A:大学3年次に、QUTの就職・キャリアサポートセンターの方の紹介で、東京で3か月間インターンシップをすることができました。その後、正規採用の選考を経て、現在はオーストラリア・クイーンズランド州政府の日本事務所に勤務しています。

Q:今後の展望や将来の夢を教えてください。

A:オーストラリアで身につけた英語と経済の両方を活かして、オーストラリアと日本とのビジネスの結びつきがよりいっそう強くなるようサポートできたらと思います。今の仕事は、オーストラリアから日本への輸出の促進、日本からオーストラリアへの投資誘致を主に扱っています。特に資源・エネルギー分野では、昨年の震災以降日本のエネルギー調達先としてオーストラリアとの関係がますます鍵になると思います。その架け橋となるお手伝いができればと考えています。また、将来地元に戻るとすれば、福島の子供たちがどんどん海外でチャレンジしていきたくなるような、おもしろい英語の先生にでもなれればと思っています。

Q:オーストラリア大学留学を目指す人たちにアドバイスをお願いします。

A:目指すものが明確にあるのであればまず行ってみて、自分の足でいろいろな人に会いに行き情報を集め、大学・学部選びも自分の納得のいくかたちで目標に向かわれるといいと思います。オーストラリアは広大なので、同じ国の中でも住む場所によって好みがあるので、旅行やワーキングホリデーを使って実際に大学が始まる前に生活したり、仕事をしたりするリードタイムがけっこう重要な気がします。その間に現地の頼れる友達ができれば、安心感と余裕をもって大学生活をスタートできると思います。 また、ファンデーションコースでは同じ目標へ向かう各国からの留学生と出会え、キャンパス内外で助け合いながら切磋琢磨できるよいチャンスなのでお薦めです。在学中にアサインメントなどで大変な時や、卒業後の進路に悩んだりするときも、ファンデーションのときの仲間が支えになってくれます。あとは応援してくれる家族への感謝と、オーストラリアでの時間を最大限楽しむことを忘れなければ、初心を見失うことなくぶれずにゴールできるのではないかと思います。


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