伝統校の風格を称えるキャンパスで学ぶ質の高い授業。
いつかまたこの学び舎に戻りたい・・・

留学期間:2001年7月〜
留学先:University of Melbourne

アメリカの大学に1年間在籍、その後より就学環境の整った大学への編入を検討、2001年7月よりオーストラリアのメルボルン大学へ編入。University of Melbourne, Bachelor of Arts(Environmental Studies and Geography) 2003年12月卒業。

Q:手探りでスタートした留学生活

A:留学するときのIELTSは6.5でした。TOEFLでは旧式の600点程度だと思います。留学する前には語学学校に行かなかったので、大丈夫か心配でした。また、留学経験のある人をあまり知らなかったので、学生生活への不安もありました。留学関連の雑誌や本などからの情報を頼りにアメリカに出発しました。その後、自分の学びたい分野の就学環境が整った場所を探し、オーストラリアのメルボルン大学へ編入しました。
 メルボルン大学での留学生用オリエンテーションでは、さまざまなサービスや施設について説明を受けました。専任のアドバイザーはいませんが、 International officeに行けばサポートしてもらえ、不便を感じることはありませんでした。
 専攻であるEnvironmental Studiesは、主として人文、社会科学系の授業でしたが、自然化学系、例えば生態学や地形学のフィールドでの授業にも興味をもてました。驚いたことといえば、すべての授業がpower pointで行なわれていて、ボードに書く先生はほとんどいないことでした。

Q:大学での学期中の1日のスケジュール

A:起床時刻は毎朝8:00amで軽く朝食をとってから出かけます。大学までの通学時間はトラム(路面電車)で10分、歩いて20分です。ちなみに今学期取った科目は以下の通りでした。

Global Environmental Politics:
週3時間、受講生150人くらい。環境政治学におけるTheory重視のクラスでした。課題はEssayとテスト。
Applied Ecology:
週4時間、50人くらい。応用生態学で、Fire Ecology, Restoration Ecology, Landscape Ecology におけるManagementが主な内容でした。課題は専門的なJournal Articlesを読んでのDiscussion、そしてEssayとテスト。
Development and Third World:
週3時間、100人くらい。開発学で、文化・社会的な面から発展途上国の開発を考える内容でした。Essay とPresentationが課題。
Fluvial Geomorphology:
週4時間、20人くらい。流域地形学、地形の形成における水と河川の働きを学びました。課題は、Essay、Weekly Practicals、テスト。

 授業後には、コンピュータ室でメールチェックしたり、図書館で過ごしたりしました。昼食は大体学食です。放課後はスポーツセンターに行ったり友達と会ったり。夕食は友達と外食するときもありますが、大体自炊でした。1日の自習時間は平均4時間くらい。段々サボるコツも覚えてきましたが、1年目は8〜9時間くらいしていたと思います。就寝時刻は大体1:30amです。

Q:Multiculturalな雰囲気と緑あふれる街に暮らして...

A:前半は大学の寮と1人でのアパート暮らしで、後半は友達と2人でアパートを借り、家賃は光熱費含めて1月AS$700(5万5千円)くらいです。1月のお小遣いは、食費、電話代、テキスト代、コピー代、交通費など諸費用合わせて、AS$170〜180(1万5千円)くらいです。そのうち、国際電話代はカード式で1月AS$10(8百円)くらい、日本に1月に3時間ぐらいは電話していました。逆は相当高いので、家族との電話はほとんど私からかけるようにしていました。
友人は日本人を含めて、世界各国さまざまです。寮のときは留学生の友達が何人もできました。一番仲が良かったのはタイからきた子でした。後半のアパートのシェアメイトは香港から来た女の子です。あとはスポーツセンターや友達を通じて知り合いました。大学のクラスに留学生がほとんどいなかったので、クラスを通じてできた友達の多くはオーストラリア人でした。
 メルボルンは、日本に比べて人口密度が低く、公園が多くて緑に癒される街です。学校の帰りなど時々、最寄の公園に立ち寄ってボーとしていました。公園と共に多いのがカフェで、街のどこを歩いてもコーヒーを飲んでいる人を見かけます。また、街には国際色あふれるレストランが多く、とても Multiculturalな感じです。また天気が1日のうちによく変化するので、それに慣れるのに少し時間を要しました。
 週末は、イベントやフェスティバルに出かけたり、映画を観に行ったり、友達の家に遊びに行ったり、となるべく息抜きをするよう過ごしました。ただ、月曜日にエッセイの締め切りがあったり、フィールドトリップがあったり、週末の休みがとれないこともよくありました。長期休暇には、夏季授業をとったときもありますし、オーストラリアの公園での職業訓練を寝泊りで1ヵ月半受けたときもありました。去年の冬休み(日本では夏休み)は、日本に帰って塾で英語のアルバイトをしました。

Q:留学して良かったと思うとき、辛いと感じるとき

A:留学をして良かったと思うときは、日本では経験する機会のなかったことをしているときです。例えば、他の国から来た友達と会っているときなど、ふと「これってすごいことかも」と思ったりします。また、メルボルンのあるヴィクトリア州の植物についてのクラスをとったとき、日本の植物についてもよく分かっていないのに、と留学していることの面白さを実感しました。
 留学生活で辛いと感じることはやっぱり英語力です。私のように、子供の頃からの外国滞在によって培われる「聴き、話す」英語力に欠けている場合、勉強の面でも、生活の面(例えば、アパートを借りるとき、病気のときなど)でも、不便なことは多いと思います。
 その他、カルチャーショックといえるかもしれませんが、留学生という概念が、自分の思っていたものと違っていたことに悩んだこともあります。メルボルン大学の留学生の多くは、英語が第一言語である国から来ているか、大学以前に英語で教育を受けているので、留学生に求められるレベルが非常に高いと思います。渡豪当初はその現実に驚愕し、「留学生なんだから英語が多少できなくても」と考えられるようになるまで、相当時間を要しました。
 また、何か上手くいかなかった時、ふと「日本に帰りたい」と思ったときも何度かありました。でも、「卒業したら結局日本に帰るんだ」と自分に言い聞かせ、時間が経つと忘れてしまいました。そんな悩みを相談できるのはやはり友達と家族です。皆、愚痴を聞いてくれて感謝しています。

Q:急病になり、何ともいえない心細さを感じたことも...

A:急性盲腸炎で入院し、手術をしたときが最大のトラブルでした。夜中にタクシーで1人病院に行ったのですが、メルボルンの深夜タクシーはあまり安全とはいえませんし、運転手さんの片言の英語で冷や汗をかきました。しかもかなり待たされた後、夜中に突然手術の順番が回ってきて、手術室に行くのも1人だったので、家族も友達もいない寂しさからでしょうか、盲腸ごときの手術なのに「失敗したらどうしよう」との怖さにも襲われました。
しかも退院したら、すぐテスト期間だったので大変でした。でも、何とか手術もテストも無事に終えました。

Q:メルボルン大学に学んで思うこと

A:重厚な趣をたたえるキャンパスがとても好きです。シティから10分という便利な場所なのに、1歩キャンパスに入ると伝統的な雰囲気が感じられます。講義については大体よく準備されていると思います。またほとんど、先生たちの部屋のドアが開いているので、いつでも質問に行けるところも気に入っています。特に Tutorialでは、良いTutorsが担当することによってとても良いDiscussionがなされていると思います(もちろんそうでないものもありますが)。
3ヶ月余りの1学期に3ないし4科目とるのが普通で、一つひとつの科目をより深く勉強でき、日本の大学のように1度に10科目以上も勉強するより、こちらのシステムの方が私は個人的に好きです。もちろん、1科目について週に3時間から4時間の授業で、学期中2、3のエッセイ(レポート)、チュートリアルとプレゼンテーション(発表・議論)、そしてペーパーテストとAssignmentの量は多いですし、評価もかなり厳しいですが、それだけ充実感があります。その内容は、学年が上がるにしたがって専門的になるのが一般的でした。どの先生方も、その領域では名のある方だったからと思います。
また、キャンパスが広いのに、授業と授業の間に休み時間がないことに驚きました。移動時間のためにクラスに遅れるのが当然で、なぜそうなっているのか今でも不思議です。とはいえ、全般的に就学環境には十分満足しています。
 今後の進路については、そのまま院に進学することも考えましたが、今は一度日本に帰って、また勉強したかったら大学院に行きたいと考えています。そのときはきっとまたメルボルンで...。

Q:これから大学留学を考えている皆さんへ

A:留学するチャンスがあるというのは、素晴らしいことだと思います。でも、それなりの計画、準備、そして目標がなければ、時間と労力の無駄になってしまうこともあると思います。それを理解したうえでぜひ頑張って欲しいと思います。


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